IWAKUMA RIKIYA
岩熊力也 / 画家
news biography contact


LA VIDA Y LA MUERTE
SUS INTERMITENCIAS

Antiguo colegio jesuita de patzcuaro,Patzcuaro,MEXICO




arraigada(スペイン語): 根を張った、根付いた。根をおろした、定着した。

1945年、有史以来ほぼ同一の民族によって育まれ守られてきた私たちの文化や伝統は根元から断ち切られた。大地から養分を吸いあげられなくなった事で各地に伝わる祭や行事は急速に形骸化し今に至る。反日教育というのは何も中国や朝鮮だけのものではない。私たちもまた同様の教育を受けもう70年近く経つのだ。全ての文化の源であった先祖崇拝が破壊されることで、土地との繋がりは断たれ、コミュニティも崩壊し、ただ個人の幸せのみを願って働き続ける黄色い猿となった。ただ、他人に迷惑をかけず、礼儀正しく、嘘はつかず、謙虚であるという美点は破壊されずに残されたのが何よりの救いだ。

11月1日メキシコ。若くして死んだものや身寄りのない魂が故郷に帰ってくる日。村人たちは村境の辻まで赴きそこにマリーゴールドで飾られたオフレンダ(祭壇)を作りあげる。花には魂たちが迷わず自分の村に帰ってこれるようにとの願いが込められている。身寄りもなく当然墓もない魂たちはそうした村人たちの導きによって故郷に安まることができるのだ。そして日付が2日にかわる深夜、村人たちはそれぞれ自分の先祖の墓に赴き、やはりそこを花や果実やロウソクで飾り、そこで夜が明けるまで帰ってきた先祖の魂と共に過ごす。
1519年、コルテス率いるスペイン軍の上陸とともに徹底的に破壊つくされ征服されたメキシコ。それから500年、断ち切られることなくしっかりと大地に根は張っていた。

2012年、アメリカが日本を守る気など端からないことが明らかになりつつある。経済的に凋落の一途を辿るアメリカはアジアに平和を保つなどという余裕も思想もなく、世界一の大国となった中国の助けを借りなければ立ちゆかないのだ。平和ボケの催眠術にかかったままの私たちは中国とアメリカが長年に渡って日本を封じ込める密約を交わし続けていることなど思いも寄らない。1972年、浅間山荘内のテレビに映し出されたのはニクソンが周恩来と握手を交わす場面だった。赤軍派兵士の絶望。あれから何一つ変わっていない。数十年あるいは数年のうちにアメリカが日本を中国に譲り渡す日がくることが現実味を帯び始めているのではないか。まるでその日のための準備として私たちを70年間教育・洗脳し続けたかのようである。かつての朝鮮の様に日本は中国の奴隷国家となるのでしょうか。私たちは私たちの文化の根を再びこの大地に張り巡らすことができるだろうか。いま私たちは岐路に立っている。

1969年東京。火炎瓶の煙の立ち昇る都市の中心で生をうけ育った私に先祖の扱い方など知る由もなく、またそこは両親の故郷でもなかったので先祖の墓は遥か遠くにあった。
もちろん地域にコミュニティなどなく、若くして根無し草としての自分を自覚していたように思う。そのまま40数年もの時が経ってしまった。いまだにわからずにいるのだ、先
祖とつながる道が、死者の魂と語らう作法が。
ただ方向はわかった。地上に死者たちの場所を。祖国自立のための。

arraigada. アライガーダ。洗い方。
単なる言葉遊びである。しかしどんな偶然にも真理に近づく道はあるだろう。手がかりがない以上その道を行くことにする。
"LAUNDRY"
それは死者のイメージを水で洗い流してゆく作品である。


LAUNDRY

lino,acrilico,fruta
2012